
極美 慎さんの『DEAN』梅田芸術劇場千秋楽おめでとうございます。
ジェームズ・ディーンについて、ほとんど無知でした。
宝塚においても、かつて3度上演があった。そのうち2回目のヤンさん主演時は
ああ上演してるなと思っていましたが、観たことがなかった。
3回目の上演から27年、初演からは44年の時を経て、蘇った作品。
とても新鮮に見えました。人物達が際だって息づいていた。
ハリウッド映画に出演してるスターの華やかさに隠された孤独と、焦り、懸命さを
感じ、極美 慎さんの新境地を観た思いです。
感想
ジェームズ・ディーン 極美 慎
ジェームズ・ディーンという人は格好良さの規準をそれまでのものから、違う路線もあるんだ
ということを世に広めた一人かも知れません。不機嫌だったり猫背でたばこをくわえながら
歩いたり。そういう雰囲気、哀愁や苦悩の中で生きる男性は素敵と思わせるものがあると。
極美さんもその辺りをとても研究したのかな。ディーンはオフではメガネをかけていたそう。
私服で髪も無頓着でメガネ。そんな若者も等身大で素敵だと思います。
そして、「時間がない」という曲。短命だからこそ何か感じるもがあったのかゾクッとします。
優しくて素敵な曲が多かった。初演の岡田啓二先生の作詞か。とても繊細です。
女子が、夢中になるほど端正な顔立ち。極美さんにぴったり。確かに猫背も素敵だった。
ラストがよかった!!
ピア・アンジェリ 美羽 愛
ピアとは充実した日々を送っていたんだと思います。もっと時間があったら、もっと周囲に
惑わされなかったら、ディーンとの時間がもっと続いたら、そんなことを思わせるいい並び。
ピアは女優という職業でありながら、母の言いつけを守る良家のお嬢さん。
極美さんと美羽さんの並びはとても素敵。
ベン 希波 らいと
希波さんの新境地。よく喋る社長。芸能人相手の仕事だから、大変だし口先が大事。
ダブルスーツで社長っぽく。二幕では少し本音も出て、ディーンとわかり合えることも。
エリア・カザン 紫門 ゆりや
紫門さんのセリフ回し、たたずまい、ディーンに先生と呼ばれるほどのエリア・カザンを
貫禄で演じます。演技がさすがですよね。
ヴィック・ダモン 遼 美来
ピア・アンジェリの婚約者ですが、歌手だったならもっと派手に役作りされるのかな
と思いましたが、意外と普通で恐らくピアと普通の幸せを強調したのか。
パット 天城 れいん
ストーリーテラーとしてもよく声も通り上手でした。
アイリーン 朝葉 ことの
アイリーンも女優なのでしょうけれど、ディーンへは友情しかないのでしょうか?
ディーンは周囲に素敵な女性がたくさんいても、ピアしか見えてないのか?
ナタリー・ウッド 初音 夢
ピアと同じようなヘアスタイルですが、性格が違う。少しアイリーンに似てるというか。
エリザベス・テイラー 三空 凜花
ディーンを取り巻く有名女優の一人。ナタリー・ウッドやピアより年上なディーンも一目置く
すでに確立した女優だったのでしょう。落ち着いた感じが美貌の三空さんに似合ってました。
後世で有名な芸能人に囲まれてるディーン、やはり生きていれば大物俳優だったと感じます。
謎の少年 彩葉 ゆめ
彩葉さん、とても目立ちました。かつてはこの役はなかったよう。歌もセリフも上手。
大物新人キタ━という感じ。フィナーレでは娘役になってましたが、これからも見守りたい
スターになりそう。
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