2019年の星組「霧深きエルベのほとり」を観て伝わりにくい何か…
という印象があったのですが、
「霧深きエルベのほとり」の1983年花組公演が先日スカイステージで放映されていました。
ときどき、昔の宝塚歌劇が放映していて再再演を見ると比べられて楽しいですね。
順みつきさん、若葉ひろみさん主演でした。
先日の星組公演は、セリフや歌をほとんど初演を変えてないんですね。
紅ゆずるさんは、結構、順みつきさんを意識してらっしゃるなーと思いました。
紅さんは声が高いのとソフトな身のこなしで全体的に印象が軽めになっちゃうんですが、
順さんは、小柄ですが、渋い声と目力がするどくて、
アイラインを黒く太く引くかつてのメイクで、より男らしい男役になってます
カールって改めて難しい役なんですね。
若葉ひろみさん
なんて可愛らしいトップ娘役さんなんでしょう。星風まどかちゃん風な。
この方が、「琥珀色の雨にぬれて」シャロンを演じたなんてちょっと意外。
まどかちゃんみたいに笑顔があどけなくて可愛い方でした。
むしろ、あーちゃん(綺咲愛里)の方が大人っぽい。
あーちゃんのマルギットは、やたらキンキン声で早口で、お嬢様らしからぬ風情を感じたのですが、
若葉さんのマルギットは無垢で、しかし父との確執の上にありそうな頑固さの表現がうまいな~と思いました。
マルギットも難しい役ですね。
フロリアンの平みちさん!
「霧深きエルベのほとり」本作品で一番素敵なのは、フロリアンだと思うのです。
カールから見れば、財と学力をもっていてイケメンのフロリアンは脅威だと思うのです。
フロリアンからすれば、尽くしてきた許嫁を横取りされ、カールを逆恨みしたり、バカにしてもおかしくない立場だと思うんです。
それを、理想の男性像にするには抑えの演技ですねー。
平みちさんのなめらかな演技が素敵でした!
たぶん、この作品、フロリアンのような男性の美しさを伝えたいのかも
言葉を噛んで含むようなセリフ回しが、礼真琴さんも大いに参考にされたのではないでしょうか?
「霧深きエルベのほとり」公演中、七海ひろきさんのお茶会に参加したのですが、
七海さんもエルベの過去版を映像でご覧になったそうで、
諸先輩方の素晴らしい演技力に、自分たちに無いものを感じたそうです。
なんでしょうね、
先輩方ひとりひとりの緻密な演技が作品を埋めていく
感じ
そんな埋めていく演技が奥深さを出しているのでは…
あらためて、
活気ある元気な星組が心情的な作品に挑戦したのもすごいです