個性的な登場人物の多い「グランドホテル」。主要人物の人物の感想はこちら↓
感想
ラファエラ(朝美絢)
ラファエラってなぜエリザヴェッタにご執心なんでしょう。
財産まであげると言い出すし、信頼?愛情?女性同士なのに?
あーささん、黒髪も女役も似合います!「NOBUNAGA」のクノイチとは違った色気でした。同期のちゃぴちゃんと息もぴったり。
この役は昔、天海祐希さんが演じられたそうですが、男役が演じる女役でしょう。目力もありエキゾチックな魅力でした。
運転手(宇月颯)
特筆すべきは、宇月さんです!
運転手なのに、こんな横柄で男爵の運命を握ってる役です。本当にただの運転手ですか?
軍人みたいに威圧感と怒号、男爵をバカにしてますね。借金があると言っても、ここまでアクの強い人物に仕上がって、宇月さん実力十分です。男爵が死んでも構わない、死神のような役です。
宇月さんが登場すると不安をかき立てられます。ただものじゃない。
オッテルンシュラーグ(夏美 よう )
ハッチさん、怪演です。なんだかとても不気味でした。包帯を顔に巻いて、それが血のりがついていたと思うのですが。
ストーリーテラーというわけではないけど、登場人物を風刺する人物です。この公演で「お金」という言葉が多発され、宝塚には珍しいリアリティな舞台でした。
ヘルマン(華形 ひかる )
社長役の華形ひかるさん。
みつるさんが肉布団の衣装を身に着けるようになるとは。もっと年配の方が演じる役でしょうが、月組全体が若いので、若い好色社長、うまかったです。2枚目のみつるさんが!フラムシェンをチラ見するエロおじさんなんて。そわそわ感がおじさんっぽかったです。
ウィット(光月 るう )
エリザヴェッタのマネージャーですが、単にわがままを押し切られているのではなく、長年の信頼関係がある、だから考慮したいという影の役です。光月さんは、いい人役が似合います。
マダム・ピーピー(夏月 都 )
ホテルのお掃除のおばさん?モップをもって右往左往。なかなか強烈な印象でメイクや鬘も工夫してました。夏月さん、芸達者です!!
あ、そういえば、芸名に「月」が入ってる方、やはり月組に多いですね。光月るうさん、夏月都さん、宇月楓さん、ニューフェイス月城かなとさん!
エリック(暁 千星)
登場するといつも電話しているエリック。
エリックの存在って「時間」なんじゃないでしょうか?赤ちゃんが生まれる一日半くらいのできごとが、「グランドホテル」で起きた事件。
一日半くらいの時間で、人生がぐるっと変わってしまった人達がいる。エリックが電話している間に。
地階の労働者たち
地階の労働者たちは、グランドホテルにいる人々の裏側の人間です。つまりそこには格差がある。格差社会を描くために登場しているのでしょうか?労働者からは、こんなホテルに泊まる人達は、優雅な道化師に見えるのでしょうか。
まとめ
本公演は主要人物(男爵、エリザヴェッタ、オットー、フラムシェン、ラファエラ)以外、団体演技が目立つ公演です。ホテルの中でチャールストンを踊る群衆、行きかう人々、それぞれの人生がきびきび動いてると思いました。
電話交換士など、今ではあまり見かけない職業があり、固定電話が主流な時代があったんだなあ、と今ではクラシカルになっていますね。
娘役は、エリザヴェッタとフラムシェン、マダム・ピーピー以外、目立たないと感じました。全体的に、月組の前回公演「NOBUNAGA」から格段に飛躍した演技力でした。