上田先生の作戦にハマりました!「金色の砂漠」。みりお&かのちゃんの魅力が120%引き出されていたと思います。
「雪華抄」であでやかに目に幸福を与えた後でこの作品。甘いと辛いの絶妙な後味でした。まとまりのいい作品です。専科英真なおきさんのお力を借りますが、今の花組は演技力あります。
砂漠という壮大な世界を舞台上で表現したのもスケールが大きかったです。アラビアのおな橋で「ダルレークの恋」などはお城や避暑地の貴族の話なので、まったく雰囲気が違います。
砂漠の描写がリアルです。舞台装置すばらしい!
感想
ギイ(明日海りお)
不機嫌な顔のみりお、素敵です。
本当は王子なのに、生きるために奴隷に落とされてひどい扱いを受けて育った過去は可哀そうだなーと思います。タルハーミネを見る目は熱く、ギラギラ嫉妬のまなざし。
奴隷でありながら、聡明で賢い。優しさというあきらめで人生を妥協しない、そんな人物に思いました。
みりおのこういう顔を見れるだけでも、このお話最高じゃないでしょうか?笑顔ではなく、ゆがんだ表情に男役の美学を見ているようです。
歌自体は少ないと思いました。ソロも1曲くらい?タルハーミネとの子ども時代も自然で、前髪下してる髪も可愛かったです。
タルハーミネの部屋で強引に抱き合ってしまう場面は、すごくよかったです!どきどきしました!!源氏物語みたいです。きれいな人が崩れていく様は感動する…
逃亡できればよかったのにね…
盗賊の長になってからは、少し顔が変わって復讐の鬼、激しい立ち回りも魅力でした。
そして、何もかも手に入れたと思ったら、タルハーミネを追って砂漠で果ててしまうところも人間的。地位を手に入れても、愛する人を失っては生きられないのです。
フィナーレのデュエットも役のままで天国に行くと想像できますので、宝塚的で昇華されす。
タルハーミネ(花乃まりあ)
退団公演で、かのちゃんの本領発揮です。挑戦的で道徳的には共感できないのですが、王族とは奴隷を人間と見ないふるまいが当然なのでしょう。それが誇りなのでしょう。
ブルーの衣装が特にきれいでした。髪型もアラビヤのお姫様っぽくて美しかったです。
なりきってると思いますが、人を殴ったりむち打ちしたりする役ってストレスたまるんじゃないかなー。
テオドロスと並ぶと、やはり美しい絵になります。
みりおとの絡みは、恐れているけど惹かれている微妙な心情も、目や眉など外見的に細かく演じていました。本当はギイを好きなんだけれど、いじわるをしてみたくなる悪い女性が似合いました。
スタイル細過ぎ!!軽そうです。
ジャー(芹香斗亜)
語り部ですが、特に設けなくても話わかると思いました。
ジャーは心情がピピに近いです。愛してる人の幸せを願うことしかできない。共感できるタイプです。キキちゃんのイメージなままです。優しい良い人。このタイプの役は役造りは一つしかないと思います。ある意味難しいです。
好きな明日海花組作品です。