世界遺産に登録された国立西洋美術館となりの東京国立博物館にて、古代ギリシャ展が会期中です。
ここ上野は、美術館、博物館、東京文化会館、動物園と様々な文化活動がぎゅっと詰まったエリアです。
ここ東京国立博物館も平日は通常5時までですが、金曜日は8時まで開いているので、会社帰りに間に合います。仕事終わりに何かを観るって、良い文化活動ですね。
私は美術館、博物館めぐりが大好きです。
この展覧会は、長崎展(2016年10月14日(金) ~ 2016年12月11日(日))、神戸展(2016年12月23日(金・祝)~)と続きます。
古代ギリシャ展
会期、会場(東京)
2016年6月21日(火)~9月19日(月・祝)
会場:東京国立博物館平成館(上野公園) (東京都台東区)
開館時間、休館日(東京)
午前9時30分~午後5時
※土日・祝日は午後6時まで。
金曜日および7、8月の水曜日は午後8時まで。
入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日
チケット(東京)
一般:1600円、大学生:1200円、高校生:900円
概要
古代ギリシャには、さまざまな美術が花開きました。その中心は一貫して神々と人間の姿と物語でした。
大理石を削って作った偶像、幾何学様式の壺絵や美しい金製品、等身大の神像まで、多様な作品を鑑賞することができます。
青きエーゲ海の美しい島々からはじまるギリシャ文明を垣間見ることができます。
感想
究極に美しい。
シンプルかつ美しく謎めいた像や、豊かで開放的な海洋文明。幾何学様式の壺絵や人間をより自然に表現する彫刻。
そして人間を基準とした精緻なプロポーションを持つ理想美が追求されました。
アレクサンドロス大王がもたらしたマケドニア王国の洗練された宮廷美術は、やがてヘレニズム文化へと花開き、ギリシャの美はローマへと継承されます。
今年はオリンピックイヤーでした。
個人的な見どころは、古代オリンピックの展示です。
オリンピアの本展覧会では競技種目を陶器画などでご紹介するとともに、競技者像が優勝者たちの姿を、神域に奉納された競技道具が優勝者たちの思いを伝えます。
オリンピックの起源は、オリンピアで4年に一度の競技祭が始まりました。最初は徒競走だけでしたが、5種競技(徒競走、円盤投げ、槍投げ、走り幅跳び、レスリング)や総合格闘技、競馬や戦車競走など、次第に競技の数も増え、全ギリシャから選手が集う大競技祭に発展しました。優勝者はこの上ない名誉を得、その彫像が神域に奉納されました。
メダルではなくオリーブの冠でした。
古代ギリシャという多神教世界にもスポットを当てています。
たくさんの神々がそれぞれの自然現象や領域を司っていました。ある時は人間を守護し、ある時は罰する神々に対し、人々は折々に宗教儀礼を捧げていました。日本人には、そうした儀礼や死生観は、理解しやすいのかもしれません。遠いようで近い、古代ギリシャの神々と人間の関わりを見ました。神話は息づいていると感じます。
ぜひ、会期中の古代ギリシャ展にいらしてみてはいかがでしょうか。間をおかず、長崎展、神戸展へ続きます。