2017年2月5日の花組東京宝塚劇場千秋楽をもって宝塚を卒業する花組トップ娘役・花乃まりあさんのサヨナラ特別番組。
銀河英雄伝説@TAKARAZUKA』の新人公演では初ヒロインを務めました。その後も、『風と共に去りぬ』や『ベルサイユのばら』『エリザベート』など、数々の大作の新人公演でヒロインを演じました。新人公演ヒロインの常連で、トップ娘役路線を歩んできた、かのちゃん。
私の好きだった印象に残っているかのちゃんの役を振り返ります。
『ME AND MY GIRL』サリー・スミス
過去様々な先輩が演じたサリー。再演の難しさや期待の中、かのちゃんのサリーは等身大でした。サリーって、ツライ人だったんだ。初めてそう思いました。
今までのサリーとは何か違う、影みたいな暗さも感じました。
我慢している。あきらめるしかないんだ。我慢しながら笑う。そんな悲しいサリーを初めて感じた気がしました。いとおしく感じるサリーでした。
あの当時、心に響いたサリーでした。
『新源氏物語』藤壺の女御
日本物のかのちゃんのきれいなこと!十二単も美しく、華がありました。藤壺は源氏物語でも難しい人物だと思います。私も本で読んで、藤壺ってよくわからないな、六条御息所や葵上と同じく、源氏より年上だけど、若々しく可愛らしい。でも、源氏の子を産んでしまう、女のしたたかさもある。
源氏が一生愛した心の恋人を、見た目の美しさ、優雅さで魅了しました。繊細な心の部分は、はかなく演じていて、この役も好きでした。
『仮面のロマネスク 』メルトゥイユ侯爵夫人
かのちゃんが演じた中で一番好きな役でした。美しい、これが一番の理由です。いじわると裏腹に愛しているSっぽいのが、かのちゃんのもち味なんでしょうか。似合っています。
みりおをいじめる役がかのちゃんには似合っている、そんな印象でした。そして、最後には屈服する。東京公演『金色の砂漠』タルハーミネにも同じものがみえるかもしれません。
まとめ
早くからヒロイン路線で大きな役がつき、番組では、かのちゃんなりにプレッシャーに応えようともがいていた様子を話しています。
周囲の目や自分との戦いに、役と真摯に向き合うことで、今の代表作があり、花乃まりあという娘役を突き詰めたと思います。
東京公演『金色の砂漠』観劇は少し先になりますが、集大成のかのちゃんを観るのが楽しみです。