聖乃あすかさんで『舞姫』の再演。初演も花組だったとのこと。
私は初演を観ていませんが、森鴎外の『舞姫』はが学生時代強烈な印象で覚えています。
夏目漱石『こころ』と同じくらい、当時私には後味の悪い作品でした。
男性があまりに身勝手で、お国第一で、辛いのはいつも女性。
学生の私には男尊女卑としか思えない作品でした。
今は、小説自体どう映るのでしょう。
”石炭をば早や積み果てつ。”
「舞姫」の冒頭部分を今でも覚えております。
初めて読んだ時は寒いんだろうな・・・と思いましたが、
たぶん、「エリスの元には戻れない」ということでしょう。
別れるしかない、と諦めているのでしょう。
さて、
宝塚初演では、花組 愛音羽麗さん主演だったそうです。
私の豊太郎のイメージとは違うのですが、
今回聖乃あすかさんが主演ということで、演出家の先生は豊太郎は甘いマスクで
優男な軍人ということでしょうか。
小説のイメージは、ヒョロっとしたぎょろ目の七三分け日本人軍人なイメージがあって、
でも、それだとエリスが好きにならないかもしれない。
宝塚は夢ですから。優しき軍服の王子、豊太郎になるのでしょう。
でも、とにかく豊太郎というやつはいけませんよ。
森鴎外は『舞姫』は自叙伝としてたようなので、いけません。
しかし宝塚は、どう昇華させてくれるのでしょう。
私のかつてのモヤモヤも、聖乃さんできれいにオブラートしてくれるのでしょうか。
楽しみでございます。