桜華に舞え感想北翔海莉妃海風

9月初めの土曜公演、東京から遠征してムラまで来ました！東京公演は取れなかったです。ガイズ＆ドールズの時も東京はチケット難が続いてました。私はいつも平日夜公演に行くので、比較的取りやすいけれど…みっちゃんの最後はどうしても、観て、今後の人生の糧にしたいと思いました！！

プログラムの岡田先生の言葉にウルっときました。

「自分たちは直接、食べ物をみなさんにあげられないけど、希望や夢や明日へのガッツを届けたい」

もう、もらっています。先生！

何年も何年も前から。宝塚が、みっちゃんがそこに存在して楽しませてくれた。それだけで、泣けてしまいました。

さて、お芝居の感想です。長くなってしまうので、今回はみっちゃんと風ちゃんだけに留めます。

感想

中村半次郎（桐野利秋）（北翔海莉）

鹿児島で生まれ育った少年時代、褐色の肌と結った黒髪が素敵です。

しかも、みっちゃんの黒熊（こぐま）を見るとは…お得。

黒熊っていうのは、官軍の将校がかぶっている獅子舞みたいな毛がふさふさした被り物です。ちなみに、赤熊……土佐、黒熊……薩摩、白熊……長州軍なんだそうです。見た目、怖いですよね、官軍。あんな被り物脅威です。

会津陥落の場面は切ないです。

剣の立ち回りも、みっちゃんの剣さばきは初めて観ました！すごく迫力あり、一心不乱です。刀は「大江山花伝」の時、渡辺綱の時以来かしら？

始めの芝居は過去と現在を行ったり来たりするので、軍服姿で桐野に名を変え、短髪のみっちゃんもかっこよかったです。

薩摩での暮らしはのんびりで、日本の未来に向かって夢に燃えている青年。西郷隆盛と出会って、この人のために命をかけよう！と思う日々は、まさに理想に輝いてます。西郷さんといるときの半次郎は目がキラキラしていて…

薩摩のお殿様の随行で東京に出てくる場面は、もう何年か経った設定です。出世して桐野に改名し、西郷さんの用心棒的な政府の要職についてます。そこで、かつての同志、大久保利通や衣波隼太郎と対立します。

半次郎の心を慰めてくれるのは、会津陥落の際、助けた武家娘の吹優。今は記憶がないのですが、半次郎を慕っているし、つかの間の甘い時間は、トップコンビとしてとても微笑ましかったです。やっぱり最後だから、絆深く強く好きでいてほしいのです。

時代は西南戦争へ。薩摩軍はとにかく明るい。実際どうかわかりませんが、のんびり穏やかな方が多かったかもしれません。みんな西郷さんを敬愛して、薩摩を愛している。穏やかな人達が、日本人同士で戦う最後をしなければなからなかったのか。

西郷さんが討たれ、半次郎も討たれてしまう、この場面はタオルがないと持ちこたえられないです。

みっちゃんが討たれるなんて、胸がきゅーきゅー鳴ってしまいました。

最後、政府軍の紅さんの腕の中で眠る半次郎、次期トップにバトンを渡すようでした。「これからの時代」を託す半次郎とみっちゃんが重なり涙が止まりません。もっといてほしい。

最後は全キャスト登場の理想の場面で少し救われました。

大谷吹優（妃海　風）

会津武家娘として勇ましく登場する一幕が印象的です。それが強烈だからこそ、のちに記憶をなくして、素の大谷吹優は、こんなに一途でまっすぐな性格なんだとわかります。ナギナタさばきもかっこよく、必死で姫を守る姿がけなげで、強い女性だと思いました。風ちゃんのこんなかっこいい姿を最後の舞台で観れてラッキーです。

会津で半次郎に助けられ、記憶をなくしてからは、一生懸命何かを自分を探そうと、また、医術に興味を持ち、自分にできることを常に探す姿が素敵でした。吹優は真面目で、時代を一生懸命生きた女性です。

半次郎とのふんわり甘い時間は、みっちゃんとふうちゃんの休憩時間みたいでした。お互いほんのり惹かれているのが素敵です。

半次郎との一時的な別れののち、危険な戦場へ彼に会いに行く。命をかけて愛した人に会う姿も感動的です。

最後に、熱い女性をしっかりと演じている風ちゃん。その潔さ忘れません。