今週末千秋楽を控えている、劇団四季「ノートルダムの鐘」を観てきました。
2月に観劇前回観たときの感動そのままに、4ヶ月経ち、キャストも初演メンバーに戻りパワーアップしていました。渾身の作品です。お客様一人一人に作品の「訴え」が届いたと思います。
登場人物一人一人が抱える闇は、私たちの闇ではないでしょうか。
感想
コンパクトなセットでありながら、街並みや大聖堂を思い描くことができます。私たちの頭の中に壮大なパリが広がりました。セットが高いのでそれほど前方席でない方がいいです。本日は好みのキャストでした。
カジモド(飯田達郎)
飯田さんのカジモドはすごい!!愛すべきカジモドでした。愛したくなるカジモドです。心が優しく、傷つきやすく、か弱い一部から、愛することを知り大きな力を得ていく過程がとても繊細に演じていました。
理不尽にも耳が悪くなるであろう鐘つきの仕事。それを楽しく、毎日こなすけなげなカジモド。それだけでも涙がでそうです。
カジモド役は大変です。
常に片方の背中に重りを乗せ曲がって歩いたり走ったり。うまくしゃべれないのに、お客様にセリフを届けなければならない。身体的特徴を得るのが大変な作業です。
そして、椅子を持ち上げる動作を何度かしますが、腕力もいる。飯田さん、とても汗びっしょり。
恋にも友情にも似た感情をエスメラルダに抱き、この人のために何もかもしてあげたい。世界でたった一人でもそのように思える人と出会えて、本当に良かった。
そんなことを私に教えてくれました。
ひどい人達にしか会ってこなかった、人生。でも、ただ一人だけは違った。それでも一人に会えたらそれで満足できた。極論ですが、そういう人生もあると教えてくれます。
エスメラルダ(宮田愛)
2回目になる宮田さんのエスメラルダ。
「なぜ、私なの?」
この言葉が印象的でした。フロローにつきつけた言葉。迷惑な愛を押し付けられ、殺される瞬間です。本当にこんなことが現代でも起こっています。
愛を叶えてくれないから相手を殺すなんて、見当違い!!本当にやりきれない場面です。
「サムデイ」を歌うエスメラルダ。涙が止まりません。こんな愛なら男なんていらない!!とまで思います。
フロロー(芝 清道)
前回の野中さんは最初から狂気そのものに見えました。芝さんのフロローは聖職者が醜くなっていくようでした。丁寧な過程を経て怪物になっていきます。さすが、芝さん。
見た目もきちんとしてる方が壊れていくのがフロロー役に適任なのでしょう。
歌が聞き取りやすく、声もよく、うますぎです!!芝さんは今の劇団四季に欠かせません。
フィーバス(清水大星)
前回の佐久間さんより甘いマスクです。
情熱的にエスメラルダを愛し変わっていくイケメンです。とても男性的にストレートで彼女に夢中になっているのが微笑ましいです。
フロローのせいで、理不尽を噛みしめます。エスメラルダと今生の別れを経験した後、彼はどうしたのでしょう?
おそらくは、民衆のために権力に対抗したのではないでしょうか。この、理不尽な世界を終わらせたい。自由に愛し合いたい。そんなことを願いながら。
クロパン(吉賀陶馬ワイス)
吉賀さんは、見た目が外人ですが、強烈なインパクトです。気色も悪く、毎日、今日だけはと生き抜いています。ジプシーであるがゆえのこういう強さ、すごいです。
クロパンは「しぶとく強く生きる」メッセージを受けとりました。
横浜公演決定
「劇団四季「ノートルダムの鐘」は2018年4月~KAAT神奈川芸術劇場にて上演します。
2017年7月23日(日)~9月28日(木)まで京都四季劇場で上演されますので、関西のみなさんにもお楽みいただけます。
ぜひ、東京公演見過ごしてしまっても来年関東に凱旋しますので、ご覧になれなかった方もチケット挑戦してみてください!