東宝版「ロミオ&ジュリエット」観てきました!!去年から話題になっていたものです。東宝版は2014年城田優ロミオ、演出小池修一郎先生で観てるのですが、今回キャストがガラリと変わって、違う作品のようでした。特筆すべきは「死」です。
今回の演出も小池先生ですが、よりスタイリッシュに、よりシンプルな舞台装置で内容がダイレクトに伝わった気がします。
主演はWキャストです。この日のキャストの感想です。
赤坂ACTシアターの2月千秋楽までチケットは満席で売り切れですが、当日券で立見は販売しています。リピートしたいなと思う方はぜひ劇場でご購入くださいませ。
ロミジュリ梅田芸術劇場2月、3月のチケットもほぼ満席ですが、若干席あるようです。東京では連日立見がありましたので、梅田でも販売あると思われます。
ある日の感想です↓
感想
ロミオ(古川雄大)
古川ロミオが観たくて行きました。!!「エリザベート」ルドルフ、「1789バスティーユの恋人たち」ロベスピエールと演じてきた古川さん。
ロミオの線の細さを地でいけました。あまりガタイのいいロミオってちょっとね…
歌も耳に福!!のびやかでもちろん甘い歌声です。ビジュアル良すぎるわ。。。
ロミオはモンタギューの中でも平穏派で、もっとロミオ的な冷静な若者がいたらこの争いは止められたと思うんですが…
ジュリエットと初めて会った時の感動をもっと大げさに喜んでもよかったかもしれないです。古川ロミオは素敵すぎるけど、サラッとしたロミオでした。失望の演技はうまいけど、喜びがあっさりしてると思いました。
ジュリエット(生田絵梨花 乃木坂46)
ミュージカル初出演だったのでしょうか。と思うほど硬いです。声も子役のようです。しかしそのおどおど感がジュリエットの初々しさに合っています。きゃしゃで可愛らしく愛される容姿です。
ジュリエットはロミオに関しては頑として自我を通します。その押しが強く出ていて、うまいなと思いました。舞台経験は何度かある生田さんですが、全身全霊でジュリエットを演じ、いじらしかったです。可愛かったです♪♬
【モンタギュー】
マキューシオ(小野賢章)
小野さんのマキューシオ、とびきり飛んじゃってました。
マキューシオって、ティボルトが言うように化粧と髪型のせいか「ピエロ」に見えます。死ぬ直前までよくわからない、キレてる兄ちゃんという感じです。彼が言いたいことは、両家のせいでわけもわからずティボルトと争っていたけど、本当はそんなことしたくなかった、でしょう。
宝塚版ではフィナーレでマキューシオとティボルトが抱擁するので救われますが、今回はなかったので、この二人が和解することが本当の平和だなと思っています。
俺たちの王は俺たちなんだ、のナンバーは、振付が機械的な動きになっていて、雰囲気が変わりました。
ヴェンボーリオ(矢崎広)
ヴェンボーリオは、ロミオの兄的に描かれてなかったです。もっとロミオをひっぱり気遣いながら、マキューシオのことも気にかけつつ、やんちゃ、みたいにはっきりした個性がほしかったです。
矢崎さんは、昨年「ジャージーボーイズ」で4人組の中で一番まともな役でしたが、やはりイメージ的にまともな兄さんなのでしょう。
そして、役作りか去年よりふっくらしました。マキューシオがとがったイメージなので、ヴェンボーリオを演じるにあたり少し穏便なイメージかふっくらしていました。
ロレンス神父(坂本健司)
坂本ロレンス神父もこんなに笑い取っていいの?と思うほど、箸休めです。坂本さんはどんな役もひとしきり笑いが起こります。お人柄でしょうかね。
歌がうまいうまい。マイクいりませんよ。
シリアスな場面は締めてくれて、ロミオには優しいお父さん的に接しメリハリある演技で素晴らしかったです。
モンタギュー卿(阿部 裕)
レミゼ俳優のベテラン阿部さんが脇をしっかり固めてくれます。がたいがよくて強面なモンタギュー卿です。モンタギューはキャピュレットより放任というか、まともな家かな?と感じます。ロミオが優しいのは親からの愛情が屈折してないから?だと思います。
モンタギュー夫人(秋園美緒)
元タカラジェンヌの秋園さん、歌はうまいですね~。息子を想う母はキャピュレット夫人より母の顔が強いです。
本当は争いを嫌っている女たちを切なく演じます。
死(宮尾俊太郎)
「死」は常にロミオにつきまっとっています。
宮尾さんの舞台を初めて観ましたが、素晴らしい!!!!
まず、衣装は後半まで素肌に黒マントです。霊廟場面近くになり、鍛え抜かれた上半身を披露。バレエダンサーといえどこの素晴らしい肉体美は彫刻のようでした。
表現はバレエ的で筋が通っている感じです。この話は、観た人の解釈は自由だと思うのですが、私は「死」がロミオを黄泉の国にいざなっていると感じました。
今回、「愛」のダンサーはいないのです。「死」だけで魅せるロミオとジュリエットの愛。
二人の命は手に入れたけど、最後、二人の愛は、魂までは奪えなかった「死」のなんともいえない表情。愛が勝った瞬間という感じでした。
「死」をも超越する「愛」に感動しました。宮尾さん、すごい。こんな「死」みたことないです。