先日スカイステージにて「明智小五郎の事件簿ー黒蜥蜴」を観たのです。
これ、好き~!と思ってしまいました。舞台は観てません。花組は真飛さん時代からしか知らないのです。桜乃さんを知ったのも「虞美人」からですし…
桜乃さん、すばらしい!!
「黒蜥蜴」は美輪明宏さんの舞台は数年前に観ました。その印象が強く、美輪さんそのものではないかと思うくらいハマってしまいました。
チケットは「宝塚のベルばら」のごとく数日で完売、DVD化もされないので、チケットを取り損ねたら数年後の再演を待つしかないのです。そして、今ではもう再演もない。
10年前宝塚で上演していたんですね。美輪黒蜥蜴とまったく違うと考えると、これはこれで楽しめました。
感想
少女漫画で豪華な衣装や宝石など、設定は宝塚向きです。
憂いを秘めた探偵・明智小五郎と、大胆不敵な大泥棒で美しい黒蜥蜴との追いつ追われつの物語はそのままです。気になった3人のみ感想書いてみました。難しいこの作品、また再演していただけたら幸いです。
何と言っても、原作の三島由紀夫作品はセリフが膨大です。セリフが明治から昭和?の貴族階級で、独特です。お嬢様を「おひいさん」とか言うような。
黒蜥蜴(桜乃彩音)
明智が主人公なので、明智に遠慮があるのか、春野さんに遠慮があるのか、遠慮と言う言葉しか思いつきませんが、もっと大胆不敵に演じてよいのではないでしょうか。
黒蜥蜴は変装の名人なのですから、男なのか女なのかわからないけど、そんなのどっちでいいくらいとにかく美貌がある!両性的なところが魅惑ポイントだと思っているのですが。
この役は女盗賊という面と19歳の兄を慕う純粋な少女という2面性があり、人の中に2人の人格がいてわかづらい。難しい設定になっています。
桜乃さんは、演技もうまいし、きれいだし、髪型も美しかったです。素敵です。ただやはり宝塚の娘役としては、黒蜥蜴はかなり冒険ですよね。
以下、大好きな美輪黒蜥蜴のセリフです。男装してホテルから逃げる場面です。ソフト帽にトレンチコートで鏡に向かいこう言うのです。
これなら大丈夫逃げられるわ。
誰も私とわかりゃしない。そもそも本当の私なんていないんだから。
ねえ、鏡のなかの紳士。明智ってすばらしいと思わない?
そこらに沢山いる男とちがって、あの男だけが私にふさわしい。
でも、これが恋だとしたら、明智に恋しているのはどの私なの?
返事をしないのね。
それならいいわ。
また明日、別の鏡に映る別の私に訊くとしましょう。じゃ、さよなら。
このようにかっこいい黒蜥蜴をイメージしていたので、桜乃さんの設定はちょいと物足りない感じでした。
桜乃黒蜥蜴さんのこのセリフは素敵でした。
明智(春野寿美礼)
春野さんの舞台は観たことがなかったのですが、水夏希さんに似ているような。
黒蜥蜴が明智のどこに惚れたのか?長身だから?ハンサムだから?兄の面影を見ているから?一目見て、言葉を交わして、天下の女盗賊が一人の男性に惹かれた何かをもっと表してほしかったです。
明智の、不思議な胸のときめきも表現は難しいですね。
変装して船に乗り込み、黒蜥蜴と二人きりの場面で彼女に抱き付かれた時のお顔はよかったです。