心に痕が…『冬霞(ふゆがすみ)の巴里』感想

『冬霞(ふゆがすみ)の巴里』。

幕開けから不穏な重い空気。明るい雰囲気の花組が?と思いました。

メイクも全体的にゴシックっぽく統一され、メインキャストが浮き立つような演出。

これから始まるキナ臭さが感じられます。

エリーニュスのお三方が『エリザベート』のルキーニのように、

様々な役で陰りのスパイスになっています。 

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感想

オクターヴ  永久輝 せあ

曇ったり怒ったりしているのがほとんどの表情で、時折見せる笑顔が本来の永久輝さんらしい。美形はどんな表情もキレイです。始めから真実を知っていれば、復讐劇にはならなかったかもしれないのに、どこで引き返せない道を進んでいったのか。

しかし、一生赦すことができないことでも、今ここから受け止めることは出来るのかなと思いました。

何が正しいか答えがでないこと、オクターブからそんなことを感じました。

アンブルとどうなるのか想像をかきたてます。

フィナーレが物語のスリリングさとマッチして良かったです。

アンブル  星空 美咲

星空さんを観ていると愛希れいかさんを思い出します。

大人っぽく、悲しげな美人です。

男が放っておかないような華やかさがもう少しあってもいいような気もしました。

訳ありな姉弟で、おそらく二人とも想いが似ているのだと思います。

ヴァランタン  聖乃 あすか

聖乃さんが殻を破ったというか、最初誰かわからなかったです。

オクターヴとは違う、何かを背負っているようですが、最後まで不気味な感じでした。

このような役でも、華やかイケメンはどんなところでも目立ちました。

クロエ    紫門ゆりや

上品できれい。紫門さんの存在感、他組でもすごいです。単なる貴族の男役や王子役より、一癖ある方が紫門さんは映えます。男役を極めたということでしょうか。

フィナーレの女役もきれいでした。大劇場でショーの女役も観たいですね。

ジャコブ爺  一樹 千尋

メイクが一段と凄いじゃないですか。キングポーよりすごかったです。

オクターヴの父に恨みを抱いて生きた一人なんでしょうけど、すでに達観している。

オクターヴもそのうちジャコブのように感じられる日が来ることを願っています。

オーギュスト  和海 しょう

人に恨まれることもしたけど、良き父の一面もあった。

人間なんて何面もあるのだから当然と思うのですが、周りは勝手に恨み募って赦せない。

亡霊や回想シーンしか登場しないので、セリフは少ないですが、

人の心にワインのオリのように溜まって重圧がかかる存在。

ギョーム 飛龍 つかさ

貫禄は紫門さんが優っているので、それほど悪に見えなかったのは、飛龍さんだからでしょうか。

ギョームは本当はいい人だったのでは…?

シルヴァン 侑輝 大弥

美形の侑輝さん。イケメンで背も高いし目立つのですが、少しインパクトは弱めは気がしました。

ミッシェル  希波 らいと

両親の割に優しい子に育ったミッシェル。育ちの良さが随所に出ています。

オクターヴが羨ましがる象徴的なミッシェルとエルミーヌ。

本人達は自然体で生きられるが故にオクターブには残酷な人物。

でもきっと、ミッシェルはオクターヴのようにはならないような気もします。

エルミーヌ  愛蘭 みこ

ソロもあり歌声も綺麗な愛蘭さん。ニューヒロイン誕生??

ルックスも優しげな娘役さんで、星空さんとは違う持ち味も今後の花組の逸材になると思います。

前回の記事↓

亡霊?!『冬霞(ふゆがすみ)の巴里』永久輝 せあ

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