(上記抜粋公式HPより)
現在上演中の宙組「シェイクスピア~空に満つるは、尽きせぬ言の葉」を観ました。シェイクスピア本人のお話です。
シェイクスピア作品は現代でも数多く上演されていますし、「ロミオとジュリエット」「PUCK」は近年宝塚作品ですし、「ハムレット」は劇団四季で演じられています。
言葉の源泉
ご存じのように、シェイクスピアの作品にはたくさんの名言が出てきますね。「薔薇はなんと呼ばれようと、その甘い香りに変わりはない」→「ロミオという名前を捨ててもロミオに変わりない」、また「恋の翼を借りて塀を越えてきた」(ロミオとジュリエット)「弱気もの、汝の名は女なり」(ハムレット)、「きれいは汚い、汚いはきれい」(マクベス)等々、彼の劇作品には名言があります。どうやって、彼の劇的世界から生まれた表現は今聞いても斬新で、そのお話の世界観を的確に表しているように感じます。
彼の頭の中でわき上がる構想は時に社会情勢に左右され、政治的に利用され、パトロンのいうなりに書いていた時期もあったようです。彼の言葉の源泉はどこからきているのでしょうか。そのヒントが舞台にありました。以下は言葉の源泉、ハムレットです。
宙組の舞台
シェイクスピア役朝夏まなとさん(まーさま)、を支える妻アン実咲凜音さん(みりおん)の夫婦愛の話でもあります。ロミオとジュリエットは、シェイクスピア夫婦の話がもとになっているのですね。悲劇ではないけれど、バルコニーシーンがそうでした。二人の出会いも偶然でありながらロマンチックなものです。貧しいシェイクスピアは案アンとの結婚を周囲に反対されていました。シェイクスピアの才能を見つけたパトロンのイギリス貴族(真風さん)が、嬢王をもひざまづかせる作品を書くならば、アンとの結婚を許すのでした。シェイクスピアにとり、アンこそが言葉の源泉、生きる希望だったようです。彼は子供も生まれ幸せな家庭を築きました。作品が売れ、ロンドンの劇場で上演され、人気は急上昇。
そんなシェイクスピアをパトロン貴族達が利用し始めます。言われた通りの筋書をつくり、次第に我を見失っていくシェイクスピア。夫婦の絆も薄れていきます。妻も出ていき、子供も失ってしまい、もう言葉が書けなくなってしまいます。それに加え、上演作品が反逆罪に問われてしまいます。そんな危機に女王がチャンスをくれます。女王をもう一度感動させる舞台を作ること。
その舞台を支えたのは、妻アンでした。出て行ったけれども、やはり彼の言葉やお芝居が好きでした。夫婦って、いろいろな問題を抱え難しいな~と感じました。ただ一つわかることは、
「許し合うこと」。許し合えばその先は、また考えられる。またやり直せる。当たり前かもしれませんが、意外と難しいことです。’夫婦のあり方’をシェイクスピア夫妻から教えてもらえた気がいたしました。