自分たちを待ち受ける運命を知らず、三等客の移民たちはアメリカでのより良い暮らしを夢見て、また、公民権を与えられたばかりの二等客たちは富と名声を手にした人生を望み、一等の富裕層は輝きに満ちた自分たちの世界が永久に続くことを願う、そんな人々の希望を乗せた豪華客船の沈没。
舞台は、「主役」というものを設定せず人物それぞれの物語が並行して進む群集劇として作られています。日本では『タイタニック』といえば、映画を思い出す方が多いと思いますが、あれはあくまでタイタニック号の沈没という歴史上の出来事をベースに作り上げたフィクションです。
ミュージカル『タイタニック』は史実に基づいて物語が作られており、登場人物はすべて実在の人物、あるいはそれをベースに作られた人間たちであり、壮大な歴史劇だそうです。
両者の違いは、実際にそこに生きた人々の物語ということでしょうか。
この舞台は、一人の役者が演じているそう。「着ている服が違うだけで、一等客も三等客も、中身は皆同じ一人の人間なのだ」というメッセージが込められています。
キリヤン始め、宝塚OGの方もお出になっている公演です。映画で内容を知っている方が多いだけに、民衆劇として観返すのはいかがでしょうか。
スケジュール
【東京公演】
2018年10月1日~13日
日本青年館
【大阪公演】
2018年10月17日~22日
梅田芸術劇場
キャスト
加藤和樹、石川禅、藤岡正明、霧矢大夢、安寿ミラ他
キャスト(初演)
アンドリュース(設計士) 加藤和樹
イスメイ(オーナー) 鈴木綜馬
ベルボーイ 矢崎広
航海士 小野田龍之介
ジム・ファレル(3等客)古川雄大
アイダ・ストラウス(1等客)安寿ミラ
キャロライン・ネビル(2等客)未来優希
ケイト・マクゴーワン(3等客)則松亜海