年末の話題作、実咲凜音さんが、市村正親さん主演ミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」に出演されています。
退団後初ヒロイン観てまいりました!初ヒロインと言ってもヒロインの一人という感じでしょうか。作品全体が問題作というか。ストーリーは難しくないですが、難しいテーマです。
公演50年の中で、長女ツァイテル役は淀かほるさん、涼風真世さん、杜けあきさん、香寿たつきさん、匠ひびきさん、貴城けいさん、水夏希さんら宝塚の元トップが演じているとのことです。ただ、この役はみりおんのような雰囲気が柔らかい方が合っていたなあと思いました。
あらすじは、大まかに言うと、ユダ人の迫害。迫害される側の家族の絆、葛藤の話です。
感想
テヴィエ 市村正親
余裕な役作り!こんなお父さんいるいる!そしてこんなお父さん&夫だったらいいなあ。と魅力的でした。
昔の市村さんに戻っていました。今回一階席一番後ろだったのですが、セリフが歯切れよくよく聞き取れ、間違いもなかったです。
まだまだ市村健在!!でした。
テヴィエという人物はたくましく、明るく陽気に生きています。どんな目に遭っても、明るさを忘れてはいけないんだと感じました。大事な家族について受け入れがたいことができても、最後は「愛」をもって見守るしかできないのですね、親って。
心温まるラストシーン。心にじわりときます。
ゴールデ 鳳蘭
鳳さんの優しさあふれる母親。声が、目線が大らかでそのままじゃないでしょうか。娘たちには愛いっぱいの表現です。
夫には怖いと思われがちですが、「愛」を忘れるほど日常に忙しいというのは、共感できます。そして「愛」はわるのだからすぐに思い出せるのです。それも教えてくれました。
ユダヤ人の生活習慣を、手の動き、しきたりなど、とてもすんなり舞台で表現されていました。
ツァイテル(長女) 実咲凜音
5人姉妹の長女。とても美しかったです。歌もうまく、声も相変わらずきれいでした。この役は男役さんほどパンチが効いてない方がいいと思います。
どちらかというと、おとなしい地味な人物で、良い意味でみりおんに雰囲気が合っていました。
ホールデ(次女) 神田沙也加
沙也加さん歌超うまーい、可愛い~♡長女は幼馴染と結婚し、次女は新しい思想を持つよそ者と結婚するのだけど、しきたりの中で暮らしている女の子が自分の意志を貫いて、人生を選択していく、新しい女性像を描いています。
沙也加さんって本当に顔がチャーミングで、今回はトリプルヒロインか?と思いました。
チャヴァ(三女) 唯月ふうか
「レ・ミゼラブル」で初めて唯月ふうかさんを観ました。歌はとてもうまいです。三女のチャヴァは存在が可愛いです。長女はおっとり、次女は進歩的、三女は本が好きで奥手。そんなおとなしい三女がロシア人の恋人を持つなんて、両親はびっくり!!
まとめ
来年お正月1月3日~は梅田芸術劇場で公演のある「屋根の上のヴァイオリン弾き」。ぜひ関西のみなさまも、ベテランの演技が随所に行きわたる名作を堪能されてはいかがでしょうか。
ぜひ一度は観ていただきたい作品です。
衝撃的な感動というより、心にずっしり残っていく作品です。後々何かが理解できそうな気がします。
私には、「どんなときにも明るく」という思いが残りました。
ちなみに、「屋根の上のヴァイオリン弾き」とは、ユダヤ人のことだそうです。つまり、ロシアが支配してる世の中でユダヤ人が生きていくのは屋根の上でヴァイオリンを弾くくらい不安定なこと。それでも面白おかしく、たくましく生きていくということ。