惹き付けてやまない『 柳生忍法帖』が素晴らしいと評判でしたが、
舞台最初から女達の迫真の演技で、涙がにじみます。
女達の復讐劇という観点から女中心の感想を。
感想
ゆら 舞空 瞳
父親が100歳超えでも、ゆらは単に父を助けたい、補佐したいと
悪に手を貸してるだけに見えました。
最後は十兵衛に心打たれて死すらいとわない。
ゆらは、胸震える恋を待っていた純粋な乙女だったのではと思います。
天樹院 白妙 なつ
千姫の後半の人生を知らなかったので、このように存在感ある生涯を送っていたのだろうと
想像が膨らみました。興味深い役で、白妙さんの演技は素晴らしかった。
将軍家に生まれ、時の人に嫁ぎ、実家に帰ってくる。
男の都合に振り回されるのが当たり前の時代でも、
それが許せないと思う女もいたということでしょう。
女の手で誅を下さねばならぬ。
当時の方がそう考えてもおかしくない設定に驚いています。
お圭 音波 みのり
轟悠さんの最後の相手役をつとめた音波さん。日本物が素晴らしいですが、
本作品の女達の一人、お圭も艶やかに情感もあり、素敵でした。
十兵衛と踊るのはお圭がぴったりでしたね。
天秀尼 有沙 瞳
「会津騒動」の有名な人物。啖呵を切ってみたものの、
自分の命と引換でもいいと思っていたのかどうか…
おそらく私は「会津騒動」に昔の自分を重ねたとも思うんです。
秀頼の娘だったんですから。
実在人物であり、天樹院の養女とあって、地位の高いしっかりした人物像に。
天樹院の教えや思想を忠実に守っているような落ち着いた役作り。
女達を守りたいのが要所で伝わります。
お千絵 小桜 ほのか
復讐劇の中心にいる女性。
表情や心情を細かく表現して、ほのかちゃんの芝居は好きです。
日本物が似合うお顔できれいでした。