劇団四季で一番好きなミュージカルは何かと聞かれたら、私は「夢から醒めた夢」です。
赤川次郎原作のこの作品は、日本人の女の子が幽霊の女の子と一日だけ入れ替わり、幽霊の子のやり残したことを大切な人に伝える、という感動的なお話です。
前回観たのは2012年頃だと思いますが、四季ではご無沙汰な演目です。ロングラン公演でなないので、次はいつ感動の世界を体感できるかわかならいのです。
友情、愛情、共通することは「大切な人に思いを伝えたい」。このことが、こんなにも大変で、いとおしいものかと知ります。
私は、「二人の世界」という曲が大好きです。
日程、会場
2017年6月9日(金)~22日(木)
東京・自由劇場(劇団四季)
登場人物
ピコ
元気な女の子。夢の配達人に誘われて、夜の遊園地でマコと出会う。相手を純粋に信じ、相手を思いやる子。
マコ
幽霊の女の子。あの世へ行くために大好きなお母さんに別れを告げられず、一日入れ替わってくれる人を探している。
マコのお母さん
交通事故で娘を亡くし、悲しみに暮れている。もう一度マコに会うことを望んでいる。
テーマ
「生と死」をテーマに、愛と命の尊さ、生きることの意味と喜び、人を思いやる心のすばらしさを描きます。
本当に、本当に観終わった後に、涙が止まらず心がキレイに洗われるのです!!勇気とか、やる気が生まれます。
私は、東日本大震災の直後にこの舞台を観る機会がありました。
当時は、自分が都心で帰宅難民になってしまったのが大変だったけれど、もっと人のことを思えばよかった。人のためにできることって何だろうって考えさせられました。
悲しい出来事が多い昨今ですが、命の尊さを深く考えた作品でした。
劇団四季の社会的な役割は「伝える」ことです。観た人にテーマが伝わって、考えてもらって、何か能動的な行動ができたらいいですね。
あらすじ
夜の遊園地でピコは幽霊の少女マコと出会います。マコは不慮の事故で亡くなって、あの世へ行きたいのですが、お母さんにお別れを言えてません。
“光の国”(あの世)行きロケットに乗ることが許されているのは、真っ白のパスポートを持ったもののみ。
遅れてくる妻を12年間待ち続けている老人や、災害や戦争の犠牲になって死んだ子どもだちがその日を待ちわびています。
いじめを苦にして自殺した子、家族を顧みないで過労死した部長、バイク事故で恋人もろとも死んだ暴走族、ケンカで刺し殺されたヤクザは、生前に罪を犯したり人を悲しませたためにグレーのパスポートしかもらえず、働きながら罪の汚れが洗い流されるのを待っていました。
マコは白いパスポートを持っていますが、その前に、一日だけピコと入れ替わって人間界に戻り、お母さんに言いたいことがあります…
まとめ
劇場ロビーにはこんな、夢の配達人たちが遊びにきてくれます。夢夢しいオープニングから、深いテーマをわかりやすく、届けてくれる舞台です。
私は「命の尊さ」、「誰かのためにできること」を感じ取りましたが、ぜひ観にいらしてそれぞれ感じた何かを持ちかえっていただきたいです。
劇団四季自由劇場(東京)にて6月より上演です。自由劇場はストレートプレイ用のコンパクトな劇場です。夢から醒めた夢の遊園地や、天国行の空港場面など大きなセットがどのようになっているか注目しています。
今より優しい気持ちになりたい方、人のことを思っているけど素直に言えない方、ぜひ一度、劇団四季「夢から醒めた夢」をご覧になってはいかがでしょうか。