花組下級生の頃から娘役スターとして活躍していたみりおん。この番組は、スカイステージ「NOW ON STAGE」最後の収録になりました。
『王妃の館 -Chateau de la Reine-』『VIVA! FESTA!』公演に向けてスターが熱く語ります。役づくりへの抱負や意気込みなど、大劇場公演も残すところわずかとなりました。
みりおんは、お芝居の派手な衣装に負けないような個性的な役作りをと語っています。
同期や共演者のみりおんへの思いも語られ、宝塚って温かいなと思いました。収録後に、みりおんへ花束も渡され、しっかりお礼を言いながらもポロポロ泣いてしまうみりおんに、こちらもウルウルしました。
新人公演時代もヒロイン街道をたどった彼女ですが、私の好きだった役を振り返ります。
好きだった役
エリザベート
みりおんと言えば、「エリザベート」ではないでしょうか。その神々しさ、美しさ、必死に生きた一人の女性の繊細さ、型のある作品とはいえ、スッと入っていくお芝居で改めてみりおんは芝居心があるんだなあと思いました。シシイの星の髪飾りもよく似合い、私が観た中で一番素敵なエリザベートだと気にいっております。
アイーダ
この役は挑戦だったのではないでしょうか。初演では男役さんが演じるほどパワーのある役ですし、劇団四季ではタイトルロールでアイーダが主人公です。
アイーダは敵国の将軍ラダメスが惚れてしまう強烈な魅力を持っていて、ファラオの娘が嫉妬する美しさと気高さを持っています。誰にも臆さない強さと勇気もあって、宝塚のヒロインとしては、かなり意志をもった難しい役だと思います。添え役ではない、男役と対等に放つパワーが感じられました。
しかしながら、本来娘役ですので、線の細さも感じ、強さと繊細さが混在する素晴らしいアイーダでした。劇団四季アイーダと引けをとらない出来栄えでした。
トップコンビお披露目ではありますが、「風と共に去りぬ」のように、男役がヒロインをする可能性も考えてしまうほどアイーダは娘役には難しいと思います。
メラニー
メラニーは私の持っているみりおんのイメージそのものな役です。優しくはかなげで、でも芯が強く信頼できる。この役で人気もあがったのではないでしょうか。決してスカーレットができないというわけではなく、みりおんを最大限生かすのはメラニーだったと思います。トップ娘役が演じて不足のない役でした。
アンハサウェイ
シェイクスピアの妻役も好きでした。
やはりみりおんに持つイメージ通りで、優しくてしっかりしている。そのイメージは、トップ娘役には必要だと思います。宝塚では比較的珍しい夫婦役で、夫婦(家族)の在り方について考えさせられた素敵な作品、素敵な役でした。