藤間勘十郎文芸シリーズ、谷崎潤一郎が発表した二幕ものの戯曲です。
北翔海莉さんのファンのみなさん!!毎回いろんなことに挑戦するみっちゃんだから、予習が大変じゃありませんか?私もその一人です。
藤間勘十郎先生は、藤間流という日本舞踊の家元さんです。その先生が古典の要素を取り入れた文芸シリーズを演出されているそうです。伝統芸能の新しい取り組みですね。
今回はシリーズ3。ちなみにシリーズ2は、『南総里見八犬伝』でした。こちらのお話もとてもファンタジーで面白いですね。
今回の公演に妃鳳こころさんが出演されるのもうれしいですね。
日程、会場
2018年2月15日~19日
三越劇場(東京都中央区)
出演
北翔海莉、市瀬秀和、鯨井康介、妃鳳こころ、津川竜、古今亭志ん輔、三林京子
演目
1部 「恐怖時代」
谷崎潤一郎/作 藤間勘十郎/演出
2部 舞踊劇「多神教」
泉鏡花/作 藤間勘十郎/演出・振付
主な登場人物
春藤家の大守
残忍にして血を好む大名。
お銀の方
大守の愛妾。北翔さんかな??
春藤靱負
大守の親族、春藤家の家老職、狡猾な家臣。
磯貝伊織之介
武術に達し、怜悧にして眉目秀麗な小姓、大守の寵臣。
梅野
お銀の方に使える女中。妃鳳こころさん??
細井玄沢
春藤家の医者。
珍斎
臆病で剽軽な茶坊主。
お由良
珍斎の娘、女中梅野の腰元。
氏家左衛門、菅沼八郎
近侍の武士、忠臣。
あらすじ
江戸時代。お銀の方は、召使いの梅野と家老の靱負と図って、妊娠している太守の奥方を毒殺し、靱負との間に8年前にできた照千代を担いで家を乗っ取ろうと画策しています。
お銀の方に思いを寄せ、過去に肉体関係にもあった医者の玄沢に二百両と交換で毒薬を用意させ、玄沢にはその毒を靱負に盛ると話して油断させ、お銀の方は玄沢を毒殺します。
お銀の方らは、太守の奥方に毒を盛らせることに決めます。
翌日、彼らの計画の邪魔をしようとしている二人の武士、氏家と菅沼に伊織之介が御前試合をしかけ、二人を亡き者にする計画を立て・・・
最終的に太守は、お銀の方らの陰謀を全て知りますが、伊織之介はそんな太守を斬って捨て、ついに極まった伊織之介とお銀の方は太守の死体の上で自殺します。
まとめ
タイトル通り 『恐怖時代』!!
お家乗っ取りを企む妾と家老の陰謀と愛憎の物語です??そんな単純なお話を耽美派の谷崎先生がお書きになります??
あっさりと理由もなく家来の首を簡単に切り落とし、血を見ることで異常に興奮し、快楽を得るような残忍な太守と、そんな太守を虜にする、お抱い医師とも密通し、あらゆる男を惹き付ける妖艶な魅力のお銀の方。
血みどろで残忍な光景に恍惚とする人間を描きたかったのでしょうか??
「春琴抄」で惚れた女と同じ世界に生きるために目をつぶしてしまう主人公がいるくらいですから、谷崎先生の世界観は理解は難しいです。
日程は5日間の短い公演ですが、ぜひデパートでお買い物帰りに、北翔さんの新境地をご覧になってはいかがでしょうか。