全国ツアー「仮面のロマネスク」「Melodia -熱く美しき旋律-」観てきました。
濃厚~。。。
初演と宙組の再演を観ていないのですが、これ、爽やかな明日海さんが演じても濃いのに、ゆうひさんとか演じたら、こってり過ぎない??と思ってしまいました。
恋の駆け引きで人をもてあそび、残酷なんだけれども、どこかわかる女心が印象に残りました。この話の主人公はヴァルモンではなく、メルトゥイユなんではないかと思うほど、花乃ちゃん迫真の演技でした。
とてもキレイだし、真似できないけど、仮面をかぶっていなければ生きていけないメルトゥイユには共感していました!!
この舞台は大成功だと思います。しかし物語は、現代の私達には共感しづらい不道徳だし、いくら貴族だからって、感情を消耗しすぎると思います。ですから、この物語は好き嫌いわかれるところだと思います。
感想
ヴァルモン子爵(明日海りお)
ヴァルモン子爵の立ち姿のくせは、あごの下の親指を添えて獲物を狙う仕草です。黒髪の長髪も素敵に、あの鋭い目で見つめられたら、たまらないです。
みりおさん、光源氏を彷彿とさせる古今東西の色男ぶりです。
根底でメルトゥイユを求めながら、わざと?女遊びを楽しむのは、メルトゥイユを嫉妬させ、振り向かせ、もう一度手に入れるのを伺っている、そんな風に見えます。
普通の男性なら、「やり直したい」とか言うのでしょうが、ヴァルモン子爵は女には困ってないのをメルトゥイユに見せつける感じです。本心が見えにくいです。
メルトゥイユと二人きりで話をするとき、彼女に触れようとするとき、まだまだメルトゥイユを狙っている感じです。彼女を一番愛しているからこそ女遊びをしている。
難しい男なんですよね。カサノヴァと違い、すべての女性をその時々愛してるわけではない。メルトゥイユがいればこそ、なんですね。その辺はうまかったです。
トゥルーベル夫人に対しても、本気ではなかったように感じます。いつもと違うタイプと思うだけで。メルトゥイユがより嫉妬するように、本気に見せかけているように感じました。
もてあそんで酷い!と思うかもしれませんが、相手にとれば、一時甘い時間を過ごしたなら、それも経験だと思うんです。
「お友達じゃイヤなんです!!」なんて言われてみたい…
メルトゥイユ侯爵夫人(花乃まりあ)
トップになってから、メルトゥイユが一番好きです。上記の紫の衣装がとても印象的です。舞台ではスパンコールで一際輝いていました。
メルトゥイユの衣装はどれも素敵でした。ステージスタジオで取り扱ってもいいくらいです。
ヴァルモン子爵を愛しながら、捨て駒の若い恋人を見せつける。貴族は嫉妬こそスパイスなんでしょうか。昔の恋人ジェルクール伯爵への復讐も忘れていない。すごい執念ですよね、それによって誰を傷つけてもかまわないなんて。
復讐に成功したら「ごほうびは私」に設定できるなんて、うらやましい。ヴァルモン子爵がまだ自分を愛していると自信があるんですね。
貴族の女性にしては珍しく冒険家ですね。恋に生きる。社会的には貞淑を装い、実際は恋人が絶えない。美貌を武器に頭がいいです。
メルトゥイユの生き方は仮面をつけてますが、恋愛において一考する価値があります。
ダンスニー男爵(芹香斗亜)
初演を観ていないのでわかりませんが、この役は2番手なんですか?若手スターがやってもよさそうな軽い役です。この役で芹香さんが成長したとは思えなくて…
みりおさんと差が開きっぱなしです。2番手なら、ジェルクール伯爵がいいと思います。
トゥルーベル夫人(仙名彩世)
見た目も美しく貞淑な妻で、ヴァルモン子爵に翻弄され、崩されていく演技がうまかったです。メルトゥイユが赤や紫の妖艶な衣装で、トゥルーベル夫人は白や水色の清楚な色を着ている対比がよいです。
人妻の後ろめたさと、ヴァルモン子爵を知りたいという望みの両方で、さいなまれる演技がうまいです。
彩世さんには「赤と黒」のWヒロインをやっていただきたい!
最近とても、華があり優しげな雰囲気がヒロインにぴったりだと思うのですが。次期トップ娘役にはぜひ!!と願うばかりです。
セシル(音くり寿)
予想通りのできばえです。お顔もふっくらしているので、何も知らないお嬢さんという印象です。
ジェルクール伯爵(鳳月杏)
大人の男でダンディに決めました。経験豊富で余裕もある。恋の駆け引きも知っている、魅力的な役です。この役は2番手でどうでしょう。というかこれが出来る人が2番でいいと思います。腕をメキメキあげている鳳月さんです。うまかった!!
まとめ
初演、再演のDVDはこちらです↓
花組の仮面のロマネスクはとてもよかった!花組版、たぶん私は購入予定です。
原作「危険な関係」のラストはヴァルモン子爵、決闘で死にます。メルトゥイユも天然痘になり、顔がひどいことになります。が、宝塚はラストが違います。さすが、宝塚!!