大劇場『桜嵐記(おうらんき)』千秋楽おめでとうございます!!
心に登場人物の感情がスッと入ってくるような作品。
そして動と静が行き来するような物語。
吉野桜はいつか行ってみたいと思う場所です。
関西で桜と言えば吉野、ということは関東にいても聞こえてきます。
その吉野が物悲しい場所だったかもしれないというのは初めて考えました。
感想
楠木正行 珠城 りょう
楠木家の長男として武士として一本筋の通った格好いい男。
表情もあまり多くせず、でもしっかり周囲を見ている。
素敵な男を作り上げました。
たくさんの役を演じた珠城さんにとって、たどり着いた究極の男。
退団公演らしく潔く輝いて見えました。
弁内侍 美園 さくら
手折ってしまった桜の枝のような印象。
可憐ですぐ壊れてしまいそうな女性。
さくらちゃん、短い台詞は小さい声で発声しているような、
それがとても役になりきっていると思いました。
限りを知る、という素敵な言葉もいただきました。
楠木正儀 月城 かなと
楠木兄弟は三者三様、みんな魅力的な性格です。
時代を生き残ってしまった正儀も、おかしくも楽しく賢明に生きた。
3人が揃っている場面は圧巻です。
組長の渋い演技に繋がるまで、
色々苦労もあって落ち着いた風情になったんだろうと思いました。
楠木正時 鳳月 杏
鳳月さんは日本物がものすごく素敵ですよね。
切れ長の目だからとても似合います。兄と弟を思い、妻を愛し、料理が得意。
一番普通の男に近く魅力的です。
百合 海乃 美月
楠木の母が強いので、気性の優しい百合が箸休めのように対比します。
それでも芯が強くて、この時代に生きた女性は一寸先は死がすぐやってくる。
鳳月さんとも相性がいいです。
足利尊氏 風間 柚乃
風間さん、とてもお痩せになりました?すごくお顔シュッとなってました。
髭も似合い本公演でも堂々と要所の役を演じて頼もしいです。
前回の記事↓